「恋愛専科」
「恋愛専科」(1962年、アメリカ、映画)
監督 デルマー・デイビス
脚本 デルマー・デイビス
撮影 チャールズ・ロートン・ジュニア
音楽 マックス・スタイナー
出演 トロイ・ドナヒュー
スザンヌ・プレシェット
アンジー・ディッキンソン
NHK BS TVより
主人公の女性プルーデンスは、教師として女学校で禁断の書「恋愛専科」を生徒に見せたということで進んでいる女性化といえばそうでもなく、純な女性なのである。男性なれしていない女性である。
勢いで学校を辞め、イタリアに来て働くわ、といったところが、ローマに来て知り合った男性にひたすらほれ込んでしまうという甘ちゃんなのである。
そんな彼女。
恋敵のリダから夕食会に誘われるが、恋人ドンとの楽しい日々を誇らしげに話されると、リダの恋のかけひきとも気が回らずに、ただただ気が動転して、夕食会にいられなくなるほど動揺してしまうほどうぶな女性なのである。ドンとの恋に破れてしまったと思い込んでしまうほどの、入れ込み具合なのだ。
恋人のドンは。
旅行しているときは、プルーデンスを愛しているようなのであるが、リダから声がかかると、ほいほいとついていってしまうような、あほ男である。
*
本作はキャサリーン・ヘップバーンの「旅情」のようにイタリアの名所をガイダンスしてくれる、うれしい作品である。
エルベ広場の近くのジュリエットの家であろう、ロメオとジュリエットの場面を演じてくれる。
ダンが昔ロメオを演じたということで、バルコニーの下からセリフをつづける。
それが終わった後、見ていたまわりの観光客から拍手喝采を受けるというのも、ほほえましい。
*
脇を固めるひとたち。
中年男のロベルト。
女ったらしのイタリア人とばかりに思っていたのであるが。
ドンにふられたと感じたプルーデンス。自暴自棄になり、それならロベルトを、と思ったかどうかは知らないが、彼に迫るわけである。
彼はそんな彼女の胸の内を知ってか知らずか、「愛した男をひたすら愛すべきではないか」と正しい道へと導いてくれる。
彼女と違って、全然大人の男なのである。
ただの伊達男、女ったらしのイタリア男でなかったのはかっこよかったのだ。
ダンの恋人、リダ。
彼女はただの悪い女。悪女まではなりきれていない、おろかな女なのである。
ダンを自分の都合でうまく利用する。それだけのために愛しているふりをしている女。
そんな女だから、悪徳実業家と勝手に結婚してしまうわけだ。自らのいかがわしい理由で結婚しておきながら、夫の監視がきびしいと、ダンに監視を逃れる手引きを頼み込むのであるが、こんなばか女に利用されつづけてきたダンもようやく、ばか女さ加減に愛想をつかすのである。
彼女は読みがするどく、悪徳実業家の夫も手玉にとれれば、悪女になれたのである。
しょせん、彼女は自分のご都合しか考えられないために、あほな男くらいしかもてあそぶことのできない、ばか女でしかいられないのである。
アルバート。
プルーデンスといっしょに船旅に旅立った男であるが、学者とはこんなとぼけた人間であるかと、とことん笑わせてくれる。
ひたすら真面目人間なのが、涙をさそう・・・。
結局、まともなのは中年男のロベルトだけだったのか・・・。
なんだか新聞紙上をにぎわしている記事を見ているような・・・。
「一人の女性が、仕事を辞めて旅立ったイタリアで出会う恋の行方をロマンチックに描く。名門女子大に勤めるプルーデンスは、生徒に「恋愛専科」というわいせつな小説を貸し出した事を大学首脳陣に責められ、辞表をたたきつけて心機一転、船でイタリアへと旅立つ。そこで知り合ったイタリア人から、アメリカからの留学生ドンを紹介され・・・。オール・ロケによって余す所なく撮影されたイタリア各地の風景が美しい。
(原題:ROME ADVENTURE)」(NHK BSオンラインから)
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